>トップページ
団体情報
地域石巻
団体名にじいろクレヨン
代表者柴田滋紀
住所〒986-0861
石巻市蛇田字中埣40-1-6
電話TEL: 0225-25-5144
支援内容子ども、地域づくり
NPOの活動報告

手を取り合って復興へ/にじいろクレヨン

外で元気に

外で元気に

宮城県石巻市は、3月11日の大地震と石巻湾、北上川から上がった大津波によって甚大な被害を受けました。発災後、180ヶ所近い避難所と11万人を超える避難者がでた石巻市では、大勢が不自由な暮らしを続けることになりました。その中には、多くの子どもたちも含まれています。避難所暮らしの子どもたちにとって、遊ぶ空間がなくなることは大きなストレスとなると心配した避難所の大人がいました。それは、石巻市内3ヶ所で絵画教室を経営していた柴田滋紀さんです。自身も津波で自宅を流失し、教室2つも浸水しました。

 

子どもたちの心の解放にむけて

青空のもとで秋祭り

青空のもとで秋祭り

震災後、柴田さんは自身が身を寄せた宮城県石巻高等学校(以下、石巻高校)の避難所で、遊ぶことも我慢し、疲弊している多くの子どもたちの姿を目撃しました。絵画教室や、剣道を通して子どもと繋がりのあった柴田さんは、「こどもたちのために学校のような空間、安心して遊べる場所を提供したい」という想いから、3月22日、石巻こども避難所クラブ(現NPO法人にじいろクレヨン)を立ち上げました。子どもたちは、震災によって受けた心の傷、避難所から仮設住宅へという慣れない生活環境で生じるストレスなどの問題を抱えているため、柴田さんは、遊びの活動を通して心のケアを続けようと動き出しました。
ドッジボールや剣道、サッカー、縄跳びといった体を動かす遊びや、絵本の読み聞かせ、お絵描き、折り紙などの遊びをプログラム化し、丁寧に準備を進めました。最初のうちは、途中で帰ってしまう子どもたちもいましたが、1週間に1回、顔を会わせる活動をしていく中、1ヶ月ほどでお互いに名前が言える信頼関係が出来て、目の離れる場所に行かなくなりました。
「途中で見えないところに行ってしまう子どもたちは、どこかで自分を気にかけてほしいと思っているんです。でも、段々と自分を見ていてくれる場所だとわかって、私達の目の届く場所にいてくれるようになりましたね。」と、柴田さん。週1回の活動でも、見守りがあり、甘えることのできる場所があることで、被災した子どもたちは少しずつ落ち着いてきました。
各避難所に行って活動を継続していくうち、柴田さん1人だけでは成り立たなくなり、石巻市に掛け合ってボランティアさんを紹介してもらうようにしました。3月、4月、5月の毎週日曜日には、柴田さんが行けない時でも、思いを共有し、研修を受けたボランティアさんが活動して夕方まで開催。また、避難所で活動していた石巻市の保育士さん達のお手伝いも得ることができました。

一歩、一歩、少しずつ

代表の柴田滋紀さん

代表の柴田滋紀さん

活動は、柴田さんが避難していた石巻高校でほぼ毎日、石巻高校以外では、定期的に週1回活動する避難所が6ヶ所、その他の避難所にも不定期で活動してきました。参加する子どもたちは、4人くらいのボランティアに対し、17、8人、多いときには30人ほどになることもありました。
7月から仮設住宅へ移行するにつれ、石巻高校で毎日行っていた活動も、徐々に週3回の活動へ回数を減らしましたが、現在も8ヶ所の仮設住宅で定期的に活動しています。
子どもたちへの接し方も、当初は“子どもたちが元気に遊べる場所を”ということが中心でしたが、子どもたちの様子を見ながら、7月からは遊ぶだけでなく、静かに子どもたちに寄り添うことも大事なのだと感じ、ゆっくり話を聞いたり、安心してもらえるようただ側にいることもあります。

その後、石巻市にある避難所も閉鎖され、活動場所は仮設住宅へと移行しました。そして、柴田さんの友人から「地元仙台の沖野での支援がしたい。何かできないか」と相談があり、仙台の仮設住宅でも活動を始めています。今後は、こどもを軸とした、コミュニティづくりを目指し新たなつながりを作りたいと考えています。
柴田さんは、「子どもたちには、挨拶ができる、活動を通し想像力を育んでいく、片
付けができる、自己完結で自立できる、子どもになってほしい」という願いを込め日々接しています。震災からの活動を振り返って、「子どもたちに助けてもらっているんだなと後から気付かされることが多い。哀しみを1度に経験した子どもたちには、これからたくましく生きてほしい」と思いを語ってくれました。

NPO法人にじいろクレヨン(旧名称:石巻こども避難所クラブ)
〒986-0861
石巻市蛇田字中埣40-1-6
TEL:080-4462-2416(代表)
Mail:kodomohinanjoclub@gmail.com