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団体情報
地域山元
団体名NPO法人住民互助福祉団体ささえ愛山元
代表者中村玲子
住所〒989-2201
宮城県亘理郡山元町山寺字北頭無120-3
電話TEL:0223-36-8106
支援内容高齢者
NPOの活動報告

NPO法人 住民互助福祉団体ささえ愛山元

『地域住民で支える人も支えられる人も、愛をもって共に支え合いたい』という想いから名付けられたNPO法人住民互助福祉団体ささえ愛山元。誰もが心豊かに安心して暮らしていける地域社会を目指し、平成11年から山元町のふたつの施設で、居宅、訪問介護、通所の介護保険事業と、託老、移送、雑用代行の介護保険事業外事業を行ってきました。

2つの施設に大きな被害

土台だけを残して流出した、デイホーム

土台だけを残して流出した、デイホーム

3月11日の大津波では、ふたつの施設は共に大きな被害を受けました。JR常磐線の東側に位置するデイホームと事務所を兼ねた施設は、全壊。施設に当時いた4名のうち、地震直後に車で帰宅しようとした3名は津波にのまれ亡くなりました。代表の中村玲子さんは、事務所横の自宅離れに帰宅直後津波に襲われ、首まで水に浸かりながら14時間過ごしようやく助かりましたが、自宅にいたご主人は家ごと流され亡くなりました。
またJR常磐線の西側にあるデイサービスセンター「ミニホーム愛広館」は、津波が施設1階に押し寄せたため職員は2階に避難。周りすべてが水に浸かった状態の中、100mほど先にある保育園から4人の園児と先生や父兄ら大人4名が、濁流に流されてきました。職員はカーテンをロープ代わりに8人を引き揚げ、施設にあった紙おむつで体を拭いたり、マッサージをして体を温めたおかげで、全員無事に助かりました。この行為については、後日山元町より人命救助への感謝状が贈られています。

助かった命を地域のために尽くしたい

家族やスタッフ、施設など多くを失い、代表の中村さんは気力をなくして塞ぎ込む日が続きました。そんな気持ちを少しずつ和らげてくれたのは、全国から寄せられるさまざまな励ましでした。「たくさんの方たちに自分たちは支えられているのだ、改めて気づかされました。14時間水に浸かり、何度ももうだめか?と心によぎった時、『私にはささえ愛山元がある。死んでいられない』と思ったことを思い出しました。せっかく助かった命。地域のために役立たせなければと思いました」
GWを過ぎたころから気持ちもだいぶ前向きになってきて、再開に向けて考え始めました。とはいえすべて流出し、活動再開への課題は山積みです。「前例をいくつか見てきたので、『NPO法人の介護保険事業者は必ず支援をしてもらえるはず。待っていよう』とスタッフに言いましたが、皆はあまり信じてはいませんでした。でも本当にさまざまな支援や助成金などいただき、次への一歩を踏み出せることになりました」

再開に向けて始動

代表の中村玲子さん

代表の中村玲子さん

6月から亘理町で、宮城県内の障害者支援に取り組んでいる団体が共同で立ち上げた『被災地障がい者センターみやぎ』より委託をうけ、県南支部の運営を行い、地域障害者への物資搬入などをおこなっています。また、ここを拠点に被災者に少しでも元気になってもらえるよう、イベントなどを開催しています。また、仮設住宅に出向きパラソル喫茶を開いておしゃべりを楽しんだり、7月には東京の慰問エステ隊を受け入れ、県南支部を会場に被災者向けのエステサロンを開きました。「参加した被災者の方たちが、震災以来こんな楽しかったのは初めてと言ってくれました。今まで物資の支援ばかりに目を向けていましたが、こうしたことが心を元気にするのだと、改めて知らされました」今後もさまざまなイベントを行う予定です。
6月からはデイサービスセンター「ミニホーム愛広館」のリフォームにも着手し、10月には再開することができました。山元町では要介護者の4割が亡くなったと言われ、事業運営は決して安泰ではありませんが、気持ちは前向きです。
「震災で失ったものは計り知れませんが、その後に支援をして下さった多くの方たちから本当にたくさんのことを得ました。この縁が今後の私たちの財産になっていくと思います。ゼロからのスタートですが、時間をかけて今まで以上に住民相互でささえあって行ける地域を作っていきたいですね」。将来は山元町の森の中で、高齢者のための総合施設を運営したいと考えている中村さん。今後も地域住民と「ささえ愛」を続けていきます。

NPO法人 住民互助福祉団体ささえ愛山元
〒989‐2201
宮城県亘理郡山元町山寺字西頭無四43-35
TEL・FAX:0223-37-3333