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団体情報
地域名取
団体名NPO法人地球のステージ
代表者桑山 紀彦
住所〒981-1217
宮城県名取市美田園7丁目17-3
電話TEL:022-738-9220
FAX:022-383-8330
支援内容国際支援
NPOの活動報告

ジオラマ制作で心のケア~3月10日の閖上の町をもう一度~/NPO法人地球のステージ

地球のステージは1996年に活動を始め、2002年にNPO法人を設立しました。災害時の緊急医療支援、東ティモールでの保健医療事業、パレスチナなどの紛争地や地震等の被災地で心に傷を負った人への心のケアを中心として支援活動を展開しています。また、国内では国際理解教育の1つとして「地球のステージ」という公演活動を行っています。この活動は、精神科医を務める代表理事の桑山紀彦さんの海外での出会いや支援活動の実体験を元につくられています。海外での支援活動を語りと映像と音楽という3つの表現方法をシンクロさせて公演しています。これまで2500回以上の公演を全国で行い、その公演料は、また海外での支援活動に使われるという形をとっています。

3・11地震発生時

閖上の街のジオラマ制作

閖上の街のジオラマ制作

法人の事務所がある名取市下増田は、3月11日の津波で道路に20センチほど冠水しましたが、幸い難を逃れました。しかし、歩いて3分の川向こうの田んぼの中には流された車が多くあり、事務所の1階にある桑山さんが院長を務める東北国際クリニックでは、震災翌日から2ヶ月間、24時間体制で診療にあたりました。発災後1週間のうちに、公益社団法人日本国際民間協力会NICCOや認定NPO法人シェア等の医師や看護師が支援にきてくれました。

館腰小学校に避難している子どもたちの中から「思いっきり遊ぶ場所がない。」という声を聞き、3月25日にはサッカー大会を開催しました。館腰小学校に避難している閖上地区の子どもたちのほとんどが家を失っています。肉親を失っている子どもたちもいます。このサッカー大会は身体を動かしながら、喜びや苦しみを自分の感情として表現していく心のケアの取り組みの1つです。子どもたちができるだけ自分らしさを
発揮する場を作ることがとても重要になります。

心のケアで被害を乗り越え 更なる自身の構築を

宗貞研さんとスタッフの林由美さん

宗貞研さんとスタッフの林由美さん

名取市教育委員会と話し合い、震災から3ヶ月が過ぎようとする6月2日から名取市閖上小学校、中学校の仮校舎となっている不二が丘小学校で、小中学生を対象とした心のケアのワークショップ「スカイルーム」を始めることになりました。ワークショップでは、写真や絵などを通して感じたことを表現することから始めます。「『寝た子を起こすな。せっかく忘れかけているのだから、そっとしておけ。』というのは間違いであり、将来にわたって心を苦しめ続けることになります。ちゃんと語って、自分の物語にしてそれを葬り去ることが大切です。」と桑山さんは言います。重要なことは3月11日の出来事をどう整理していくかです。NICCOから派遣されスカイルームを担当している心理カウンセラーの宗貞研さんは「3月11日の出来事について、話をしたり表現することで、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の予防につながります。」と言います。現在は仮設住宅や事務所内など5ヶ所を拠点として閖上小学校、下増田小学校、増田小学校の児童約50人に対し心のケアを行っています。

失った街を再現し新たな一歩を

10月からは3月10日の街のジオラマ(注)制作に取り組んでいます。津波前の街はどうだったのか、突如津波により失った街を制作していくことで、心の中の不全感を解消し感情を表現していきます。自由に制作していいというルールにより、子どもたちは自分が何を大切にしていたかを知ります。自宅、ラーメン屋さん、閖上小学校など思い入れが強かった建物を見事に様々な感性で表現します。そうしていく中で、時間と感情と意思を取り戻して新たな一歩を踏み出していきます。制作した閖上の街は名取市役所で展示された後、3月にはイオンモール名取エアリで展示されます。
心のケアは継続的な取り組みとなる為、地元の団体が行うことにより安心して利用できます。PTSDの予防から、被害を乗り越えさらなる自信の構築をすることを目的として活動を行う地球のステージの「スカイルーム」は、今後も継続的に必要な支援に取り組んでいきます。

(注)ジオラマとは情景模型のことであり、展示物とその周辺環境・背景を立体的に表
現する方法。

NPO法人地球のステージ
〒981‐1217
宮城県名取市美田園7丁目17-3
●TEL/022‐738‐9220
●FAX/022‐383‐8330
●URL http://www.e-stageone.org