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団体情報
地域石巻
団体名NPO法人フェアトレード東北
代表者布施龍一
住所〒986-0861
宮城県石巻市蛇田字下中埣14-1
電話TEL:0225-94-6883
FAX:同上
支援内容障がい者・地域づくり
NPOの活動報告

支援は「場所」ではなく「人」へ/NPO法人フェアトレード東北

石巻市は、10月11日に、全避難所を閉鎖しました。発災後、救援物資を届けたり、炊き出しをしてきた活動は、これまでに仮設住宅に移った人々の生活支援に変わってきています。しかし、被災して困っているのは仮設住宅にいる方々だけではありません。石巻では、津波で1階に津波が押し寄せても2階で何とか過ごしていた在宅避難者も大勢いました。その在宅避難者を物心共に支援してきた団体の1つが、フェアトレード東北です。

石巻市を中心に社会的弱者といわれるニート、引きこもり、精神障がい者などの支援をしてきたフェアトレード東北は、年齢・性別・障害の有無にとらわれず、就労の場と生活の場となるソーシャルファーム(注1)として、利用者が実際に稲作をしてお米を生産し、「ニート米」の名称でウェルフェアトレード商品(注2)として販売するなどの活動をしています。

日の当たらない災害弱者の支援を

東日本大震災直後から支援活動を始めたフェアトレード東北ですが、石巻市蛇田にある事務所は浸水し、理事長の布施龍一さんの自宅も車も被災しました。それでも、利用者やスタッフの安否を確認するため、腰まで海水につかりながらも必死に歩きました。そして、救援物資が届いていない避難所や限界集落へ物資の提供や炊き出しをしていきました。
その後は、石巻市内の牡鹿半島や渡波地区を中心に孤立した独居高齢者や在宅避難者、障がい者に対してニーズ調査をしながら必要なものを届け、直接支援をしてきました。在宅避難者で特に1人暮らしの方や体が不自由な方は、あまり外出しないため物資の提供も受けていません。そこで定期的に訪問し、場合によっては物資の提供をし、見守りをしています。その中で、医師や介護福祉士など専門的な支援が必要な場合は、連携する団体に引き継いでいく仕組みを作っています。この見守り訪問の「在宅高齢者等支援事業」は、国の緊急雇用対策事業として石巻市から委託されています。

顔と顔を合わせた支援

代表の布施龍一さん

代表の布施龍一さん

在宅避難者の訪問調査は根気と労力がいる地道な活動ですが、結果として助かった方や救われた方たちが大勢います。「支援は場所にではなく、人に行うもの。大量の物資よりも必要な人に必要な物資を届けています。」と布施さん。顔と顔を合わせ継続した支援。地元の団体だからこそできる活動です。

震災から200日。休まず支援を続けてきたフェアトレード東北のスタッフも相当疲れがたまっています。それでも、在宅避難者の方に感謝され、「また来てね。」と言われることでスタッフの疲れも癒え、継続して支援を続けています。
事務所の1階には全国からの支援物資がたくさん置かれており、2階ではボランティアや被災したスタッフと共に、布施さんも一緒に寝泊りしています。しかし、支援をする為のお金も人もまだまだ不足しています。
震災で石巻市内の保育園も半減し、子どもを預けたいというニーズが出てきたため、フェアトレード東北は、この春、託児所オレンジをオープンする予定です。
「親のストレス軽減が子どもに良い影響を与える為、土日でも子どもを預けることができる託児所を作り支援していきます。」と布施さん。でも被災者の自立を最終目標に震災対応で行う託児所の運営は、開始から3年〜4年を目途に閉鎖する予定です。
被災して困っている多くの人の生活を支えているフェアトレード東北は、これからも継続的に、「人」への支援をしていきます。

(注1)ソーシャルファームとは、障がい者あるいは労働市場で不利な立場にある人々のために、仕事を生み出し、また支援付き雇用の機会を提供することに焦点をおいたビジネス。
(注2)「WelfareTrade(ウェルフェアトレード)」とは、「W e l f a r e =社会福祉」と「F a i rT r a d e =公正な取引」を掛け合わせた造語で、社会的に弱い立場の人たちがつくる国内の製品やサービスを、適正な価格で購入・利用することによって、当事者の人たちが、働く喜びと生きがいを持ち、自立できることを支援する仕組み

NPO法人フェアトレード東北
〒986‐0861
宮城県石巻市蛇田字下中埣14-1
●TEL・FAX/0225‐94‐6883
●E-mail info@si-tohoku.com