NPO法人地域生活支援オレンジねっと

●施設見学、高齢者宅訪問活動
●子どもたちと遊ぶ
●サロン活動(高齢者とレクリエーション)
●コミュニティカフェのお手伝い、弁当配達、補装具製造施設見学など

【団体メッセージ】
 高校生の皆さんには地域の人たちとの出会い、ふれあい、繋がり、くらし(生活)を体験して頂き、NPO活動の意義を考えるきっかけになったのではないかと思います。
 不登校や学校を卒業した人にも、世の中の環境に入れない、環境に馴染めない、関係性を作れない人がたくさんいます。地域課題の根底は、関係性がないことで孤立している人たちが大勢いることです。
 社会の力は、関係性の密度が作る。人口密度より、人の交流の密度。元気な地域は、人数ではなく姿勢が違う。
 オレンジねっとでは、社会の一員としての自分の特技を活かし、関係性を築くことの大切さを理解してもらうために、高齢者、子どもたち、同じ地域で活動しているNPO、企業との交流をして頂きました。また助けないと生きていけない人たちがどういう暮らしをしているのか、自宅を訪問し生活を看てもらいました。
 この活動を通じて、「助けて!」が安心して言える社会、「助けて!」に寄り添える社会、(助けて!)を助けられる社会づくり、いろいろな人が混ざり合い、助け合って社会の繋がりを作ることなどの大切さを実体験として感じてもらえたなら幸いです。
 高校生の皆さんとの出会い、若い力と新鮮な考えに触れられたこと、心より感謝です。夏ボラ体験、これからもよろしくお願いいたします。

(タイトルをタップすると文章に飛べます)
「繋がりの大切さ」
「全ての人にとっての幸せって?」
「画面越しで見るかリアルで見るか」
「初めてのボランティア」

 

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「繋がりの大切さ」

 私は8月3日、4日、5日の3日間、NPO法人地域生活支援オレンジねっとでボランティア体験をしました。このボランティア先を選んだ理由は、体験内容が詳細に記載されてあったのを見て、高齢者から子どもまで幅広い世代と交流することが可能だと考えたからです。

 1日目は「みんなの茶の間・ときめきカフェ」での利用者への配膳、配食、南光台東児童センターでのお手伝いをしました。南光台東児童センターでは子どもの工作のアドバイスやミニゲームに参加しました。年の離れた子どもと関わることは久しぶりだったので、なにより楽しかったです。工作ではそれぞれアレンジを加えたり、ジェスチャーゲームでよく考えて表現したり、子どもたちもよく考えて行動しているんだと思いました。

 2日目は地域の集まりでの仙台の盆踊りと花笠踊り、軽い清掃、乳井舗装具製作所の見学をしました。盆踊りや花笠踊りを踊るのは初めてで、少し難しかったけれど目線での表現などを細かくご指導いただき、高齢者と交流しながら楽しく活動できました。

 3日目はサロン活動のくらしの保健室の参加、地域の障がい者施設の小さな夏祭りへ参加をしました。くらしの保健室では自律神経を整える呼吸法を高齢者の方と共に実践しました。その後の特技発表では同じ高校生ボランティアの方がギターやバイオリンを演奏したり、私は短い物語を語ったりして、楽しんでいただけました。

 この体験を通して、ボランティアは人と人の繋がりがとても重要であり、それによってさらに地域とボランティア団体の繋がりが深まり、支援が必要な人により早く支援を届けることができると思いました。(常盤木学園高校3年 I.Y)

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「全ての人にとっての幸せって?」

 8月3日〜5日までの3日間、私はNPO法人地域生活支援オレンジねっとのボランティアに参加しました。オレンジねっとは「困った時はお互い様」として高齢や障がい、子育て、病気などで困った人たちが安心して暮らせる地域づくりをするために、環境や繋がりをつくる活動を行っているNPO法人です。

 3日間の体験の中で私は、児童館や障がいを持つ子どもたちが集まる施設、怪我などをした人がつける補装具作りの現場、市民センターなどの見学など、非常に多くの体験をさせてもらいました。その数多くの体験の中で、私が最も印象に残った出来事は、地域の人の自宅に伺い配食をしたことです。一人暮らしをしていて、歩行が困難な人や認知症を患っているお年寄りなど様々な方にお会いしました。以前まで私は、このような病気や身体の衰えによって一人暮らしが困難になってしまった人たちは、施設などに入っているものであるとばかり思っていました。しかし、金銭的な問題以外にも施設での生活に対して様々な考えを持っている人がいて、施設に入ることが全ての人たちにとっての幸せではないことに気付かされました。

 この経験から、私はオレンジねっとのような地域の人の助けとなる活動は絶対になくてはならないものであると感じ、私の住む地域ではどんな問題があるかについても興味を持つようになりました。このような活動についての情報がもっと発信され、少しでも多くの人が地域づくりに興味を持つことで、社会が少しずつより良い方向に向かっていくことを願います。(東北高校3年 S.H)

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「画面越しで見るかリアルで見るか」

 皆さんは老後の生活についてどのように考えていますか?私は最期に自分の好きなことをして自由に過ごしたいです。老後は施設で過ごすのが一人暮らしの高齢者にとって快適な過ごし方だと思っていました。しかし、それは違いました。ここでキーワードとなるのが自由です。

 この3日間、たくさんの方と接する中で印象に残ったのが高齢者の生活です。話を聞いたり、実際に目で見たりして高齢者の孤独の現状を知りました。以前からニュースで高齢者の一人暮らしや孤独死、介護職員の不足など知識としては知っていましたが、実際に目の当たりにすると感じる重みが段違いでした。配食をしたご高齢者のほとんどが一人暮らしをしていることに加えて、認知症や持病を患っていました。

 その中の一人の話ですが、その方は後期高齢者で認知症を患っていて、現在一人暮らしをしています。一度施設に入ったそうですが「あんなところ二度と行きたくない」と言って自宅に戻ってきたそうです。施設での生活は規制が多く、コロナ禍という状況も相まって外に出ることも人との接触もあまりできなくなっているそうです。自由に過ごしたい高齢者にとって閉鎖的な空間は苦痛と感じ、施設で過ごしたくないと感じるのだと思います。

 この話を聞いて、現状を変えたいと感じました。私は建築士を目指しています。今回の問題を建築の面から解決することができるのではないかと考えます。室内にいても外の空気を感じられ、光の入れ方を工夫した開放的な空間や、介護士の負担が少しでも減るような設計を考えるなどできることはあると思います。まだまだ建築の知識は浅いので実現可能かは分かりませんが、これから学んで私にできることをしていきたいと思います。(宮城第一高校3年 T.H)

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「初めてのボランティア」

 私は地域生活支援オレンジねっとで活動をしました。1日目は祭りの飾りを作り、児童館に行きました。飾りは地域の祭飾りの旗の見本を作りました。ボランティアの皆さんと協力して可愛くできました。児童館では、兄弟以外の子どもと接することが少ないので、小さい子とどのように接したら良いか分からず困りましたが、子どもたちの方がたくさん声をかけてくれて、小学生とたくさん遊ぶことができました。2日目は盆踊りと花笠踊りを教えてもらいました。また、近くに義足コルセットを作っているところがあり、見学させてもらいました。技師装具士という職業があるのを初めて知りました。3日目は活動の中で私たちボランティアメンバーの特技を発表しました。1人で前に立ちバイオリンを弾くのは緊張しましたが、喜んでもらいうれしかったです。

 3日間を通して行った配膳は、スタッフさんと一緒に食事を持って家を回りました。スタッフさんはそれぞれの方と丁寧に会話をし、健康観察をしていました。利用者さんにとっては食事を運んでもらうだけでなく、ひと時の楽しいコミュニケーションの場になっているんだと感じました。

 夏休みに何かチャレンジしてみようと軽い気持ちで応募しましたが、自分がまだ知らない世界がたくさんあると気が付きました。団体の方々は私たちが様々な経験ができるようにたくさんの配慮をしてくださいました。今回たくさんの方のおかげで体験でき、とても良い夏休みの3日間を過ごすことができました。ありがとうございました。(尚絅学院高校1年 C.S)