NPO法人アマニ・ヤ・アフリカ

【活動内容】
●アフリカの歴史や貧困の実情を知る講義
●スラムの様子を知る動画を見る
●フェアトレードを知る講義
●フェアトレード商品販売ショップ見学
●フェアトレード商品を入れる袋の制作

【団体メッセージ】
 コロナウィルス感染拡大の第7波により制限のある活動にはなってしまいましたが、例年通りアフリカの歴史やフェアトレードについての講義をメインに行いました。

 近年、SDGs を基にして全世界が貧困削減を目標に掲げておりますが、アフリカの貧困解決はアフリカの背負ってきた歴史を知ることから始まります。貧困問題というのは自然条件や食糧不足だけで起こっている問題ではなく、アフリカの歴史を振り返りながら考えることでその問題の本質がわかってきます。

 運よく日本に生まれた私たちが、実際にアフリカの貧困の当事者の事を考えるのはとても難しいのですが、このような知る機会を重ねることで理解できる様になるのだと思います。コロナウィルス、ロシアとウクライナの戦争によって影響を受けている事からもわかるように、世界は全て繋がっています。日本人が内向きになり世界から取り残されかけている今、国際感覚を持たなければ日本は世界から完全に孤立してしまいます。

 今回の夏ボラが、将来の日本を担う高校生達の今後の進路選択や興味を持つ分野への理解を深める手助けになれば幸いです。


【高校生から寄せられた体験談】
(タイトルをタップすると文章に飛べます)
「世界と繋がる夏ボラ体験」
「貧困」
「持続可能な支援を」
「支援の形」
「アフリカの人たちが自立していくためには」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「世界と繋がる夏ボラ体験」

 私は、NPO法人アマニ・ヤ・アフリカのボランティアに参加しました。私は以前からアフリカの貧困問題やフェアトレードについて関心を持っており、夏ボラを通してより深く学びたいと思い参加しました。

 ボランティアでは、アフリカやケニアが人口爆発、異民族間の争い、異常気象や自然破壊、経済格差などのさまざまな問題を抱えていることを学びました。また、ナイロビのスラム街にある『マゴソスクール』の生徒が歌っている『MALI YA MUNGU ~すべての命はたからもの~』の動画を見ました。子どもたちの笑顔で楽しそうに歌い踊る姿やどんな過酷な環境でも他者を思いやり行動する優しさに心打たれました。私たちが当たり前だと思っていることは、他国から見れば当たり前ではなく恵まれたことであるため、常に誇りを持って生活しなければいけないと感じました。


 ボランティアに参加する前の私は、アフリカの貧困解消のためには私たちが着なくなった服やランドセルなどを寄付すれば良いだろうと考えていました。しかし、私たちが後先考えずに物資を送ることによって、現地産業を破壊しアフリカの人々の生活を苦しめることに繋がることを知りました。支援活動をするときは、送られた物資がどのように使われるか、現地の人にどのような影響があるのかを深く考え、慎重に行動する必要があると改めて感じました。

 アマニ・ヤ・アフリカでのボランティア体験を通して考えたこと、学んだことを今後の生活に活かしていきたいと思います。(富谷高校 1年 A.Y)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「貧困」

 私は自分たちがいる地球で、その中でもアフリカでなぜこんなにも貧困が続いているのか疑問に思い、このNPOの活動に参加することにした。結論、アフリカの貧困の原因は植民地時代に知識のないまま働かされていたため、自国に帰っても何もできなかったからだと分かった。また、たくさんの人種が集まっている大陸のため、様々なすれ違いがあり一つになれなかったということも原因の1つだと分かった。

 私はこのアマニ・ヤ・アフリカに参加する前までは、募金や服、ランドセルなどを送ることがアフリカの人々にとって助けとなり、良いボランティアなのではないかと思っていた。しかし、自分が着なくなった服をあげたり、カバンを送ったりすることこそが差別なのだと分かった。

 したがって、アフリカに物を送りたいと思ったら、なるべく新しい商品を送ってあげたい。そして募金する時もただ募金するのではなく、何のために使われているのかを確認してから募金するようにしたい。

 今回、NPOの活動に参加し、アフリカの情報が少し分かった気がした。そして今後はより深くアフリカのことについて知りたいと思った。(東北学院榴ヶ岡高校 1年 S.M)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「持続可能な支援を」

 「私たちが今、アフリカのスラムに住む人にすることができる援助は何だろう」。

 この質問に対して、自分の考えを1人ずつ発表することになった。そこで「自分たちが着なくなった服を古着として送る」という案が出た。私はこの考えを聞いた時に、最近洋服屋で古着を回収するボックスをよく見かけるので、自分にもできそうな良い案だと思った。

 しかし、その後話を聞いて、少し考えが変わった。ケニアには繊維工場があるにもかかわらず、ほぼ無料で仕入れた古着の方が安く売れるため、現地で作られたものが売れず、仕事がなくなることにつながることだ。また、いらなくなったものや着れなくなったものを送るという行動自体がアフリカの人々を見下しているのではないかということだ。

 この2つのことを聞いて、私は支援について深く考えていなかったことを実感した。古着を送ることは悪いことではないが、その後のことや自分の態度を一度考えるべきだと思った。古着を送る場合は、それがどこへ届くのかを事前に調べることや、自分がまた着たいと思える服を送ることが大事だと知った。そして服に限らず、物の支援より技術を教えるなどの支援が必要とされているのではないかと考えた。夏ボラ体験を通じて、その場しのぎでなく、その後にも役立つような支援をしていきたいと思った。(常盤木学園高校 2年 K.H)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「支援の形」

 発展途上国への支援の方法は、多く存在している。しかし、その支援は一体正しいものなのだろうかと考えさせられた機会だった。

 支援者の立場になったとき、支援される立場と対等な関係でいるべきである。ボランティア体験中、今私たちにできることとして、古着を発展途上国に送る支援案が出た。私自身、良い活動であると思っていた。しかし、石原さんの「いらなくなった服をあげるのか」という言葉を聞いて、このような支援が対等な関係でないものだと知った。また、いらなくなった服や物をあげるのは、押し付けとしても見ることができる。ケニアには、服の生地を作り、服を製作する技術はすでに存在している。その場所へ大量に無料の服が送られれば、ケニアの服屋の売れ行きは悪くなり、その店は潰れてしまい、また貧困が生まれる。送る場所が適切かどうかを調べることが支援者に求められている。

 アマニ・ヤ・アフリカでは、フェアトレードの商品を扱い、ケニアの支援に取り組んでいる。フェアトレードの商品は、生産者に適切な賃金を渡すために高い値段で販売されている。たとえ買うことができなくても、「なぜこの値段で販売しているのだろう」と疑問を持つことから始めるのが良い。低い値段で売られている商品の先には、児童労働などが隠れているかもしれない。安い金額でものを買ったとき、生産者側は少ない金額しか得ることができず、1日のご飯を買うことにも苦労する。

 私たちにできることは、買うことだけではなく、考え、知っていくことである。(仙台育英学園高校 2年 A.H)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「アフリカの人たちが自立していくためには」

 私は8月9日と10日にNPO法人アマニ・ヤ・アフリカさんでボランティア活動をしました。そこで私はアフリカの歴史とケニアの貧困状態、フェアトレード商品を実際に見たり学んだりしました。

 お話を聞く中で驚いたことがいくつかありました。まず、ご飯を食べたくても食べられなくて、1日1食しか食べない子どもたちがいるということです。学校がない土曜日と日曜日は、食べないこともあるのだと知り、日本と比べると差が大きくあると感じました。アマニ・ヤ・アフリカさんが建てたマゴソスクールは現地の人にとって生きるために欠かせない大切な場所になっているに違いありません。ケニアの人がケニアで作ることができる食料を開発していくとより良いと思いました。

 もう1つ驚いたことは募金や寄付が必ずしも良いというわけではないということです。もらえるものだと思ってしまったら働かなくなったり、寄付により売れなくなる店が出てきてしまうことがあります。私は学校で行っていた募金活動に参加していましたが、細かいことは知らず表面上だけ知っていたのだとよく分かりました。しかしその一方で、フェアトレードの商品を買うことではとても良い助け方をすることができると知りました。フェアトレードの商品を買い、アフリカについての知識を深めていくことで問題の解決に繋げられるよう努力したいと思います。

 私はこの2日間、アフリカについてよく考える良い期間になりました。この経験を生かしてSDGsの目標達成にも繋げたいと思います。(富谷高校 2年 H.M)