「地域に種をまき若者たちの独立を支えたい」という願いが名前に込められたＮＰＯ法人Tree Seed ( 以下、Tree Seed ) は、気仙沼市の若者が地域の復興を目指して立ちあげたＮＰＯです。
Tree Seedの代表理事・齋藤卓磨さんは、もともと震災後より、被災地で被災者に働く機会と賃金を提供する自立支援活動（キャッシュフォーワークプロジェクト）を展開していた認定ＮＰＯ法人国際ボランティアセンター山形（ＩＶＹ、山形市）に参加し、ＩＶＹ気仙沼のマネージャーとして活躍していました。その後、同気仙沼事務局の他のメンバーらと共に、ＩＶＹから独立する形で昨年四月にTree Seedを設立したのでした。
　Tree Seedは、仮設住宅地のコミュニティ形成支援とデイケアの事業を中心に、行政や地域外の団体との連携を図りながら活動しています。
　仮設住宅地のコミュニティづくりでは、気仙沼市内で一番大きな仮設住宅群である、五右衛門が原でコミュニティ形成の支援事業を行っています。ここでは、産業総合研究所( 茨城県つくば市) などから提供を受けたトレーラーハウスを利用して、地元生産者や商店からの生鮮食料品、惣菜、衣料品などの出店や、手芸講座、お茶会の開催などが行われています。また、気仙沼市中心部の商店倉庫を改装したデイサロン〈ポプラの木〉では、デイサービス事業とサロン事業を並行して行っています。午前中は介護保険の対象となるデイサービスを、午後は広く地元高齢者の方々に利用してもらう趣旨でサロン事業を提供する形となっています。
　外部から訪れてくれたボランティアの方や企業の方々のために、ゲストハウスの運営も行っているTree Seed。今後はさらに、子ども教育支援や障がい者の自立支援などにも取り組んでいきたいと構想しています。