宮城県石巻市に拠点を置くＮＰＯ法人アニマルクラブ石巻（以下、アニマルクラブ）は、動物愛護センターなどで殺処分される犬・猫の現状を多くの人に知ってもらい、支援してくれる人と助けを必要とする動物たちとをつなぐ活動をしています。具体的には、里親探しの協力、野良猫の不妊・去勢手術の支援、動物たちの現状を伝えるパネル展開催などを
行ってきました。
　震災直後は石巻でインターネット回線が使えないなか、携帯電話で仙台圏に住む知人と連絡を取り、アニマルクラブのホームページ上に石巻市内で保護した動物の情報を掲載しました。以来、現在まで70匹ほどの動物たちを里親につなぎました。
　2011年9月からはペットへマイクロチップを取りつける活動も行いました。このマイクロチップには15桁の固有の番号が記録されており、保護された際にはその番号からペット情報を辿ることができます。通常5000円〜6000円ほどかかるチップの埋め込みですが、三菱商事による復興支援助成を得たことで、登録料の1000円だけで装着できるようになりました。
　動物問題相談事業も行っています。アニマルクラブだけではスペースや人手の問題から、保護できる動物たちの数に限りがあります。本当の幸せは、各家庭で少数で飼育されることですから、里親をサポートすることにも努めています。
　里親や被災動物を保護した人を、治療や不妊去勢手術、ワクチン接種などの実践で支える不妊予防センターを週2日開院しています。
　今年の5月にはアニマルクラブも協力してきたドキュメンタリー映画『犬と猫と人間と2　動物たちの大震災』（監督宍戸大裕）が公開される予定です。