ＮＰＯ法人パソコンママネット( 以下、パソコンママネット) は、石巻市でパソコン操作のサポートやパソコン教室を行っている団体です。設立は2002年の7月。現理事長の遠藤一恵さんと現副理事長の平岩由紀子さんら7人のママ友によって結成されました。教室で使用する教材テキストは全て手作りでパソコン操作についての個人指導もしています。
　ところが2011年3月11日。突然の震災により、パソコンママネットの活動は大きく揺らぎました。震災直後、長年パソコン教室を開催していた市の公共施設が避難所となり、使用できなくなりました。また、パソコンママネットの事務局も床上浸水の被害が出ました。一時は団体としての活動を止める事も考えたといいます。
　しかし次第に地域の方々から、パソコンに関する相談が寄せられるようになったこともあり、求める声があるならばと、パソコンママネットは震災の1か月後には少しずつでも活動を再スタートしていくことを決めたのでした。
　6月にはパソコン数台の支援があり、早速、避難所や仮設住宅での「出張インターネット体験」を開催しました。体験会では、普段はパソコンに疎遠な年配の方も含め、心おきなく音楽を聴いたり、ネットショッピングをしたりと楽しんでもらう事ができました。また、8月には休止していたパソコン教室を再開。被災し、仕事がない時期だからこそ、今のうちにパソコン操作を身につけたいと多くの人が参加し、教室は盛況でした。
　昨年には、パソコン教室の回数も震災以前のように、ほとんど毎日開催できるようになりました。副理事長の平岩さんは「事務局がなくならない限り、活動を続けていきます。今後は他の団体とも協力を図って、何かパソコン教室以外の流れも作りたいと思います」と、さらなる展望を話しました。