表現通して子どもの心をケア/地球のステージ
NPO法人地球のステージ(以下、地球のステージ)の活動は、1996年、大画面映像とシンクロする音楽によって世界の出来事を感じようというコンサートステージから始まりました。同時に海外での災害緊急支援として、保健医療事業や心のケアを行ってきました。
地球のステージ代表理事である桑山紀彦さんは心療内科医であり、名取市内のクリニックで診療も行っています。
もともと心のケア活動をしてきた地球のステージは、公益社団法人日本国際民間協力会(NICCO)とともに被災地名取で、「スカイルーム」という被災した小学生向けのワークショップを中心に支援活動を行ってきました。写真や絵などさまざまな表現プログラムを通じ、子どもたちが『震災後の心の整理』をできるよう導きます。
2011年10月からは「震災前の私たちのまち」(名取市閖上地区・下増田地区)「あの日覚えている光景」「未来の私たちのまち」の3段階のジオラマ制作に取り組み、語りながら作ることで、気持ちの吐き出しを促していきました。
また昨年7月からは映画制作プログラムを開始し、映画「不思議な石」の制作に取り組みました。話の筋は子どもたちが被災地を巡り5つの石のかけらを探し、それが1つになると天国から声が聞こえてくるというもの。今年の1月には約千名の観客を前に上映会を行いました。子どもたちによる舞台挨拶も行い、さらなる自信の構築につながりました。
大人であれば、震災からの復興を「もとに戻す」とイメージできますが、成長途上の子どもたちにとってはその「もと」が定まっていません。地球のステージによるこれらのワークショップは、子どもたちの心のケアを考えるうえで重要な役割を持っているのです。